New つぶれないのが不思議な塾

 

はたから見れば、「つぶれないのが不思議」な塾。授業料は安いし、かといって「薄利多売」でもない。

確かに塾としては儲からない。

つぶれないお店が、実は通販で儲けているように、当塾は著作が主な収入源です。だからつぶれないのです。

 

はじめて書籍を出した5年前は書籍に関しては何もわかりませんでした。いまはいろいろわかってきて、書籍製作に関して自分の意見を言うようにもなってきました。

「すごく売りたい」とは思わないけど、「お金は必要」だし、「売れないと出版社に申し訳ない」し、売れることが「評価」だという面もあるから「ほどほど」は売れたい。

でも、「売れること」は確かに「評価」のひとつではあるけど、それが「製品の価値」を正確に表すわけでもない。私は「人の役に立つこと」が「ものの価値」であると思いたい。その価値を創出するために、「作り手」の中心として「誠実」でありたい。売るための「知恵」は出したいけど、不誠実な「誇張」はしたくない。他書の真似などましてしたくない。それは自分の価値の否定になるから。

 

顔の見えない顧客(読者)の方も気になるけど、「教える仕事」をしているのだから、目の前の一人の生徒さんに全力で関わりたい。試験の合格とか高得点とか、目に見える進歩をいっしょに喜びたい。「やったじゃん」「すごいじゃん」と言ってあげたい。

 

そうした塾の活動の中で、生徒さんが、分からなかったことがどうやったら分かるようになるのか。現場で知恵を出してその答えを見つけて、それを「出版」という形で公開するのが理想だと、そのように思っています。そうやって自分にしかできないものを作り出すのが自分の役割であり価値であると考えています。

 

「自分の知識をひけらかす」のではなく「上から目線」でもなく、学ぶ人と同じ目線で、そして、「サルでもわかる」とかではなく「お勉強感なく」とかでもなく、「これだけあれば完璧」とか「ながめるだけでOK」などというおとぎ話を言うでもなく、「学者のようではないのに学習書として十分に知的」でありながら、「ちょっと笑っちゃう」ような、そんな面白い書籍を作っていけたらいいと思います。

 

楽しい気持ちで作れば、楽しい書籍ができると思います。そのように心がけたいと思います。良い生徒さんたちのお陰でそれが実現できています。

生徒さんの協力が無ければ、私の書籍はできないのです。書籍収入が無ければ、この塾も運営できないのです。ですから塾と著作は、一体なのです。それが私の「つぶれない塾」なのです。

(2021年11月8日)